退屈をぶっとばせ!山形音楽総合サイト『ダズル』

ARTIST | INTERVIEW-BAND LIVE

DIYフェスfrom山形 DO IT 2016
開催後、今語る。
実行委員長の酒井健太さん、共同主催者の佐藤優人さんに伺いました。
(LONG VERSION)

2008年に山形市シネマ旭跡地で開催され、全国的に革命を起こした伝説のDIYフェス「DO IT」が11月12日に酒田市大浜にて復活。
出演アーティスト37組、延べ来場者1,050名、
運営スタッフ70名、高校生ボランティアスタッフ24名。同じ志を持つ者たちでつくりあげた
DIYフェスfrom山形 DO IT 2016。

DIYフェスfrom山形 DO IT 2016 開催後、今語る。 実行委員長の酒井健太さん、共同主催者の佐藤優人さんに伺いました。 (LONG VERSION)

By: blink | Dec. 20, 2016 | 3256 views

21doit_photo-162
21doit_f8b4cb4f
b3890027
21doit_PB120083
21doit_IMG_2414
21doit_26b92641
21doit_8928f240
21doit_9cd741e3

21doit_e3d4cce2

DO IT 2016、本当にお疲れ様でした。

山形発のDIYフェス、山形県内はもちろん、南は九州、北は北海道からお客さんが殺到した「DO IT 2016」。

開催を決意したのはいつ頃でしたか?2008年のDO ITの衝撃から、どんな経緯で?酒井さんは2008年のDO ITでボランティアスタッフをしていたと聞いていますが、優人さんも同じ会場に?

酒井健太(以下K):DO ITを酒田でやりたいと考え始めたのは、実は3年以上前で、2013年に山形市で復活した時も「翌年は酒田で」と思い描いていました。ただhopeの移転のタイミングも重なり、 まずは今の酒田のシーンをつくってからだと考え、時期を伺っていました。そんな中、優人とも出会って。酒田のライブの熱量が着実に上がっていく、次の夜につながっていくことを感じる時期がありました。ちょうど去年の今ぐらいの時期です。
佐藤優人(以下Y):自分は2008年当時は東京で学生で、タワレコで見つけたDO IT 2008コーナーとそのフライヤーを見て、東京から友人と行きました。そこから紆余曲折があって山形市に帰ってきて、更に色々あってドゥワチャライクというイベントを酒田市で主催しています。健太さんと出会ってから、何度もDO IT 2008の話で二人で朝まで盛り上がっていたのですが、昨年末に酒田市のライブハウスで見る光景が徐々に盛り上がってきた実感が持てる時期がありました。その流れの中で今ならDO ITをやれるんじゃないかと健太氏が思いつき、あるツアーの帰りにいきなりhopeに呼び出され、DO ITやるぞとシャウトされ、「おお、やりましょう笑。」と答えた記憶があります。
K:メンバー以外で地元にこんだけ感覚が近い人間が現れたぞってのが嬉しくて毎夜これからのこととか話し合ってましたね笑。

ーDO ITは、音響から装飾などの会場づくりのすべてを庄内の力で行ったとか?

K:そうですね、倉庫内のステージ音響はVOICEさん、野外のステージ音響はMUSIC FACTORYさんにお願いしました。自分たちのやりたいことを伝えたらすごく親身になってくれて、「酒田でやるフェスがなめられたら困るだろ!」ってノリで、本当に一緒につくってくれた感覚が強いです。
Y:制作を進めるにあたって、やっぱり初めてのことでわからないことだらけだったので、2008の制作の方々には何度も相談したり手伝ってもらったりして何とかつくり上げられました。当日のスタッフも内陸から「手伝いたい!」と声を上げてくれて、時間と場所を越えた中でやれたからこそあの達成があった感覚は強いです。本当にありがたかったです。
K:会場の装飾や設営に関してはすべて地元のボランティアスタッフの手によるものです。仕事終わりにみんなで集まって製作してくれました。予算も限られてる中、どうやったらあの場所を最大限に生かせるか。DO IT のオブジェはグリーンシステムの廃材、会場の数百メートルのガーランドは 持ち寄った雑誌や古着を切って、天井のヒンメリはダイソーのストローで笑。 お金をかけて成立させるんじゃなくて、自分たちの発想でどうやって会場に彩りをつけていけるかを考えました。ここでやる意味、リユースの廃材などを使ったのもその発想からです。そういう発想も、自分が通っていた山形で開催されたDO ITに参加した時に学びました。
21doit_59ad1bd8
21doit_910062db
21doit_a98fad2a
21doit_0d038dff

ー当日配布したパンフレットには、地元の方の温かさを感じるつくりになっていましたが、これもこだわったポイントですか?

K:そうですね。広告もただ情報を載せるだけではなく、一つ一つ体温が伝わるものにしたかったのでデザインにもこだわりました。小さい街なので、本当にみんなどこかでつながっているんですよね。関わっている人の顔が見える、浮かぶもので、協賛していただいた企業様にも自分たちの気持ちが伝わればいいなと思って。
21doit_01327347

ー準備中に苦労したことはありますか?

Y:本当にわからないことだらけで、一難去ってまた五難くらいトラブルも問題も起きまくりました笑。それを一つ一つ人に相談したりして解決していく中で、徐々に光が見えてくる感覚はありましたが、終わらない課題の山に、どんよりとした気持ちになったことは幾度となくありました。
K:開催が近づくにつれて本当心身ともに休めない時期が続きました...笑。一番気持ち的にやられたのは、開催2ヶ月前ぐらいですかね。全体の経費が見えてきて、それに対してなかなかチケットが動かなくて。何が足りないんだろう、どうやったら伝わるんだろうって、ただ過ぎていく時間が本当に苦しくて。結局はやれることを一つずつやっていくしかないって、何も考えずに走りだせてからはつらいのは体だけで乗り越えられました笑。

ー酒井さん、優人さん、それぞれ個人的にお伺いします。 一番こだわった部分を教えてください。

Y:非常に難しいですが...強いて言えば

「人と人の繋がりがきちんと表れるイベントにしたい」

というところです。
アーティストブッキングで、僕や健太さんのそれぞれのこれまでの繋がりや思いがあったりはもちろんなんですが、例えば会場探しや出店者探し、ボランティアスタッフ募集、官公庁への相談事などなど、とにかく人との出会いや繋がりがイベントそのものの可能性を広げてくれた感覚があり、それが当日きちんと見えるように、一個一個大事につくっていくというのは心掛けていました。消防行く時に相談乗ってくれたあの人が当日来た時に、こういうのがあったら喜んでくれるんじゃないだろうかとか、お客さんや演者、スタッフの顔を想像しながらイベントをつくろうと思ってました。こんな感じでどうですかね、、いろいろありすぎて漠然としてしまいます、、
K:自分はやっぱり音楽の部分が大きいですね。 メジャー・インディーズ、地元、県外にこだわらず、本当に自分が今ライブがかっこいいと思えるバンドに声をかけました。どんな環境でもすべてをひっくり返すカウンターパンチを持つのが音楽の力だと信じているので、そこだけは絶対に妥協しないように。決して集客や、地方に寄っただけのラインナップにはしたくなかったという か。だから当日ライブを見てくれさえすれば全てをひっくり返せるんだ、それだけは自信もあったし、譲れない部分でした。

ーでは、やって良かったー!と実感していることはありますか?開催後は各地で話題沸騰中ですが、最近感じている影響・反響はありますか?

Y:やっぱり当日終わって会場撤収しているときにスタッフの表情を見ている時はだいぶ嬉しかったです。これまでのDO ITに行ったことが無く、今の酒田のシーンで出会った中で手伝ってくれる人が多かったので、具体的なイベントのイメージをすべて共有できるわけではなく、難しさを感じることが多かったのですが、今回でDO IT 2016のことは皆で共有できたので。この経験がそれぞれ今後のヤバいアクションに繋がれば最高だと思います。DO ITがあって、速攻でデモCD制作に取り掛かった地元バンドとか見てるとやっぱ嬉しいですよ笑。本当にやってよかったと思いました。
まだ具体的な影響はそこまで多くないかなと思ってるんですが、2008年のDO ITに衝撃を受けた自分が2016年に動けたように、これから時間をかけて色んな事が起きていくんだと思って楽しみにしています。自分も自分で、今回のDO ITでの出会いをまた次の夜に繋げられるように計画中です。
K:DO ITを通して「地元で〇〇みたいなフェスをやっていきたい!」とかそういう気持ちが中心にある訳では決してなくて、ここからの可能性とか、何かを始めるのに場所や数が重視されるわけではないんだよってことを証明したかった気持ちが強くて。だからスタッフや出演バンド含め、参加してくれた人たちが、自分も何かやってみたい、少しでもそういう気持ちになってくれたって話を聞くと本当にやってよかったなと思います。それは音楽に限らず仕事でもなんでも。あと参加してくれた県外のアーティストが、自分の街でも何かやってみたい、そんな話もいただいて、その言葉も本当に嬉しかったです。

ー連日連夜の準備に追われながらも、圧巻なLIVEをやってのけたFRIDAYZさん、超えてますね!笑

そして、スペースシャワーTVで2017年1月24日に「DO IT 2016」放送決定!ぜひお見逃しなく!ですね。

ーでは、酒井さんにお聞きします。 FRIDAYZさんのLIVE時、ステージからの眺めはどうでしたか?お客さんが感極まって泣き叫ぶ方、微笑んで見守る方、様々な方がFRIDAYZさんのLIVEに釘付けになっていましたね。

K:なんだろう、興奮とか緊張とかとも違って、1,000人のメンバーでライブをしているような今までのライブで感じたことのないぐらいの安心感がありました。
今までで一番メンバーの多かったライブです笑。

21doit_H7INH26sWfN42DGSt7UuRSWrCVhFh1_df1AwUJp6RmY
21doit_unspecified
21doit_6097
21doit_OvoYjgz3Trl9peka2Brmp0DG3v1nc8fXO78b8CMcv08
21doit_iE3mThfwtgPWNNt0UNhYFty0IjldX4t0XZKSLAOecoc
21doit_w

ー優人さんにお聞きします。LIVEフロア(ステージ)はどんな光景でしたか? また、共同主催の酒井さん(FRIDAYZさん)のLIVEはいかがでしたか?

Y:自分はその時セキュリティスタッフとしてステージとフロアの間から見てたんですが、なんていうか、映像を見てる感じでした。 一番前の柵のところで、いつもhopeや各地のライブハウスで見かける面々が、それぞれの思いを前面に出してかぶりつきで見てる光景は凄かったです笑。 FRIDAYZのライブは死域を超えて覚醒してる感じがあって不思議と無敵感があって、自分がこういうのもあれなんですが、安心しました。健太氏はじめメンバー5人は相当事前準備で追い込まれて当日を迎えてたので、誰かぶっ倒れたらどうしようと思ってましたが、一曲目始まったとたんに、あ、超えてるわと思って安心しました笑。

ーお二人の地元、庄内地区についてお聞きします! 庄内地区ってどんなところですか?

Y:高校時代は庄内はなんもないように感じて、それこそバスや電車で山形や仙台に遊びに行ってましたし、東京に出たくてしょうがなかったです。
ですが今は、色んな人と出会う中で、酒田の可能性を物凄く感じれています。同じ町なんですが、全然違うように見えている感じです。
K:人が見える小さい街だからこそ、どこまででもつながれる、何もないからこそ、何でもできる可能性がある場所だと思います。
昔はその部分がマイナスに見えていた時期もあったんですが、今はまったく逆の視点になりました。
次なにしてやろうかな、あの人と一緒だったらこんなすげーことも出来るんじゃないかって、30すぎても毎日ワクワクして落ち着かないです笑。

ーDIYは「DO IT YOURSELF」の略ですが、今の気持ちでDIYを例えるなら?

K:どこでも いつでも やるだけ!ってことで大喜利みたいですね笑。
Y:Facebookにも書いたんですが、 でっかいこといっしょにやろう でいいんじゃないですかね?笑。
もしくは どうせならいっしょにやろう とか、、
全部自分たちの手でやることの最大の魅力は、作った人、やった人、動いた人の顔が見えることで思いがこもることだと思います。そういうイベントはやっぱり参加していても楽しいですし、感動しますね。今年のお客さんやスタッフとまた一緒に遊びたいですし、何か新しいこと始めるってときは応援したり手伝ったりしたいですね!

ー最後に、自分のまちでもフェスをやりたいと思っている方に向けて、一言アドバイスをお願いします。

K:フェスをやることだけが目的なんじゃなくて、

その先に何を見るかが大事

なのかなって思います。
Y:何にも偉いこと言えないですけど、「困ったら人に聞けば何とかなる」とは思います!あとは近くのライブハウスでも県内各地、毎週末音楽で沢山の盛り上がりがあるんで、まずはそこに行って「既にあるもの」を楽しんでほしいですね。
21doit_e46f0778
21doit_1414215d


21doit_sakaisan
[Profile]
酒井 健太 KENTA SAKAI (酒田hopeFRIDAYZ)

鶴岡高専在学中に結成したバンド REPORT で全国流通盤を発売。 在学中から各県を回るツアーを実地するが、卒業後解散。 その後 FRIDAYZ を結成。
THRASH ON LIFE RECRDS と契約し 3 枚のアルバムを発売。2011 年、震災により休業に至った flavor を引き継ぎ「酒田 hope」をオープン。2014 年に移転リニューアルオープン。数多くのバンドやアーティスト、表現者が「売れるために東京に出る」一方、 地元を選び酒田から全国へ発信し続けている。

21doit_yuto02
[Profile]
佐藤 優人 YUTO SATO (ドゥワチャライク)

山形県庄内地方を中心に、米農家をしながら、DIY(だったらいっそやっちまおう)のスタンスであれやこれややっております。一生山形で暮らしたい、どうせなら楽しく暮らしたいので、生活の全てを、面白おかしく企画できたらと思っています。